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五感で学ぶ⑤
こんにちは、高幡教室の土井です。
前回の記事を打ち込みながら、昔使っていたUSBメモリで様々な写真を発掘して感慨深い心持ちになっています。写真をとっかかりに、当時考えていたことが鮮やかに思い出されました、そういうのっていいですよね。
前回の記事で現地に行くことの楽しさに触れたのですが、やっぱり自分を井の中の蛙にしない、視野を広げる体験として挙げられるのは海外に行くことなんじゃないでしょうか。
わたしは2回しか海の外に出たことがないのですが、強烈な体験をしました。
最初に行ったのは中国、上海です。
真冬に行ったのですが、日本よりも空気が冷たくて大陸性気候の冬は「厳寒」でした。
中国にいるのに、中国語が通じない。春節(旧正月)の頃だったので、上海から故郷に帰省する人たちが山盛りの荷物を背負って往来していたり…
緑茶を買ったら砂糖が入っていてびっくりしたり…
同じ東アジア圏に住んでいるからほとんど同じ顔をしているのに、文化が違う、言葉が違う、向こうの人たちも平気で中国語で「どこの地方から来たの?」と話しかけてくるので不思議な感覚に陥りました。
二回目に行ったのはイタリア、こちらは完全にヨーロッパ圏なので文化の差異はわかりやすかった。
それととにかく暑い、もはや砂漠と言われてもおかしくはない「The 地中海性気候」でした。
広場があって、噴水があって……写真のやつはベルニーニの「蜂の噴水」です。おじさんが噴水の水を汲んで飲んでいたので、真似して飲みましたが、冷たくておいしかったです。
日本と違って石の文化という感じで、建物も道も石造り、日本だと目ん玉ぶっとぶくらい古い建物が平然と残っているのに驚きです。
シエナでのパリオ祭。町の区画ごとに馬を走らせてその年の一番を競います。こういうお祭りで盛り上がるのは日本も外国も変わらんなーと思いました、たしかこの年は毛虫地区が勝ったはず。
食事の作法も違うし、見た目も違う、言語も全然通じない。
ときどき日本人ガイドにあって日本語で話をするとホッとした、なんてこともありました。
外に出てみないと自分自身を振り返るのって難しかったりします。
『わたし』という考えって、わたしではない他人の『あなた』とか『誰か』がいないと意識しづらい。
日本人が古事記や日本書紀を作成しながら「日本という国家」を意識したり、高度な測量技術を用いて日本地図を作り上げたりしたのは、海の外の国からの刺激というきっかけがあったからです。
何も考えずに旅をするのももちろん楽しいのですが、普段とはガラリと違う空間に行ける機会があるのなら、「日常とは違う面」に向けていただけるとより鮮明な思い出が作れると思います。
観光ガイドやネットの情報に流されないで、ぜひとも自分の五感をフル活用してください。
自分の感覚で感じられたこと、中身の良し悪しはもちろんありますが、これこそがお金を出しても買うことのできない一生モノの宝物です。