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ことばのことばっかり ~花は盛りに~
こんにちは、高幡教室の土井です。
夏も後半戦、冬の入試に向けて多様な問題と闘えるように鍛錬しています。
いわゆる私立入試では各学校でどういう能力を求められているのかが異なっていて、それを見比べたり発見していくのが非常におもしろいです。堅実な知識の積み重ねを求めるところもあれば、書かれていることの裏にある深いものまで読み取る思慮深さを求めていたり、あるいは自分の考えを論理的に構築しながら明文化することを求めていたり……。
国語という教科は思考の根幹に最も近いので、奥深い教科だとしみじみ思います。
さてさて、先日扱った国語の問題では、「サクラ」についての文章、厳密に言えば桜守として有名な佐野藤右衛門についての文章が載っていました。水上勉の『櫻守』を紹介しつつ、横道にそれた雑談として「サクラの語源」について子ども達に話しました。
①田んぼの神様を表す「サ」+神様をまつる建物や石を表す「クラ」が由来
②日本の古い神話で出てくるコノハナサクヤヒメという神様の名前が由来
浅学なので眉唾物であるこの二つを紹介するにとどめましたが、調べてみると動詞がそのまま名詞化したという説もあるんですねぇ。
学術的ではないけれども、コノハナサクヤヒメとの結婚のお話は、「どうして人間はたった数十年で死んでしまうの?」という根源的な問いに対して、昔の人達が想像力を働かせてやっと生み出した合理的な答えの一つのように思えて、非常に好きです。
なんぼのものかは、調べてみると出てきますので、古事記とかも読んでみると面白いお話が他にもありますよ。
サクラといえば今ではソメイヨシノが主流ですが、個人的にはオオシマザクラという品種が好きです。ソメイヨシノよりも花びらがずっと白く、新緑のまぶしい葉と一緒に花を咲かせるのでとても清涼感のある色合いになります。
オオシマザクラは美しいだけではなく、香り高い葉を塩漬けにしたものが、和菓子でおなじみの桜餅に使われています。
桜餅については、何年か前の都立高校共通問題でも物語文の中に出てきますね。
クレープ型の関東風のものが長命寺、つぶつぶの関西風のものが道明寺、と名前も見た目も違いますが、みなさんはどちらが好みでしょうか?わたしは東京人ですが、不思議と道明寺の印象が強く、大人になった今でも和菓子の中では断トツで道明寺が好きです。
春や夏の和菓子はこしあんを使用したものが多いですが、秋から冬にかけては、いものお菓子やつぶあんを使用したおいしい和菓子がたくさん出てくるので、それが楽しみですね。
季節感のある食べ物をおいしくいただく。
これも素晴らしい学習の一環です、食欲の秋へGo!!!!!!