コラム
志學舎保護者会⑧ ~教育誌から~
◇私たちのコミュニケーションは、2重の意味の中で繰り広げられています。言葉は、表現面(デノテーション)と内容面(コノテーション)からなっているからです。
◇たとえば、「愛しているよ」という言葉は、「愛しているよ!」という表現面(=耳で聞けたり、文字で読めたりする面)と「一生君を守るよ」という内容面(表現面から汲み取れる意味の面)からなっています。
◇ですから、言葉をそのまま受け止めて良い時と、言葉の奥にある意味を探って受け止めなければならない時があるのです。
◇昔のことを思い出してほしいのですが、女の子(男の子)から「あんたなんか大嫌い!(お前なんか嫌いだい!)」と言われた経験はありませんか。
◇つまり、言葉の世界は、「大嫌い」という表現が、「大好き」と言う意味を持ちうる世界なのです。ですから表現の奥に隠れた意味をどう汲み取るかが、大切になってくるのです。子どもの話しを聴く時に、一番注意してほしいのが、子どもの真意を聴こうと意識を集中することです。
◇何で子どもがこんな言葉を使うのだろうかとか、何で子どもは、こんな表情で話すのだろうかとか、この話しをすることで子どもは何を私に伝えたいのだろうかとか、そういう子どもの真意を一生懸命聴こうとすることです。
◇子どもの真意が、どこにあるのか、そういう関心で親が子どもから話を聴いてあげることが非常に重要なことなのです。言葉尻を聞いて、すぐに反応してはいけません。
◇次の「Aの会話」と「Bの会話」を比べてください。
Aの会話
子ども:「お母さん、明日から塾行かないよ!」
母さん:「えっ!何で?月謝がもったいないでしょ!」
子ども:「塾の先生が嫌なんだよ!」
母さん:「何言ってるのよ!また塾の先生に怒られたんでしょ?」
子ども:「違うよ!兎に角、もう行かないよ!」
母さん:「駄目よ!しっかり行きなさいよ!」
Bの会話
子ども:「お母さん、明日から塾行かないよ!」
母さん:「どうしたの?」
子ども:「塾の先生が嫌なの!」
母さん:「どんなところが嫌いなの?」
子ども:「えこひいきするのよ!」
母さん:「ひどい先生ね。何かあなたもえこひいきされたの?」
子ども:「そうじゃないんだけどさ。いきたくないの!」
母さん:「先生が嫌なほかに、何か理由があるの?」
子ども:「うん、・・・」
※子どもが話すことを聴くということは、子どもの気持ちに即して、親から積極的に子どもの真意を聞き取ることです。そのために、子どもの言うことを受容しながら、子どもの真意が分かるような質問を投げかけていくことです。言葉の奥に隠れた意味を聞き取るように、意識的に子どもの話を聴いてください。
これ、我々塾の先生にとっても、力一杯大切なことだよね。
・うかない顔している、
・宿題がやれないと言っている、
・遅刻欠席が多くなっている ……。
子供たちはいろんな表情・表現を見せます。
それらの「奥の真意を聴く」態度。持ち続けたい。
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