コラム
水本代表、志學舎を語る⑦
断られても断られても
こんにちは。志學舎代表の水本です。前回の続きから。
新しく建設される高幡郵便局舎の2階と3階を借りる返事を局長さんにしたあとで、あてにしていた銀行融資を断られてしまいました。それでも、高幡への出店を是が非でも実現したい、と思って、最初に融資を約束してくれた銀行の副支店長さんのもとに何度も通いました。「口約束とはいえ『貸します』と言ったではありませんか。何とかなりませんか。」と詰め寄ると、副支店長さんが、「内規で当行では貸せないが、政府系の公庫に行ってみてはどうですか」と勧められ、今度は政府系の銀行に相談しに行くことにしました。
そこで書類を提出すると、公庫担当者からはけんもほろろ。おまけに「いいですか、公庫資金の原資は税金なんですよ。そんな簡単に貸せるわけないでしょ。」と説教される始末。こうした公庫とのやり取りをもう一度最初の銀行の副支店長さんに話しました。そして、「副支店長さんから公庫に一本電話を入れて、融資してもらえるように何とかお願いしてもらえませんか」と頼みました。すると、多少の後ろめたさもあったのでしょう、副支店長が「希望の満額でなく一部でいいので志學舎さんに融資してもらえませんか。そうしたらあとはうちで何とかしますから」と公庫に電話してくれました。
こうしてようやく、こちらの希望額の半分にも満たない額ではありましたが、公庫からの融資を受けることができるようになったのです。
でも、金額は必要額の半分にも満たない。「あとはうちで何とかします」と公庫に掛け合ってくれた副支店長の銀行だって不足分を貸してくれるはずもありません。しかし、新年度開始前に何としても新校舎を開校してたくさん生徒募集をしたい。そこで、まずは公庫から借りたなけなしのお金を教室の内装費にすべて充てることにしました。工事は2月から始まって3月中には出来上がる予定。実際のところ、内装費は融資額だけでは少し足りませんでしたが、工事代金の支払いは工事開始前、中間、引渡完了後と分割して払うので、最初の支払いには間に合いました。でも、残りの支払いはどうするか。工事期間中はちょうど新年度開始前の時期。新入塾の生徒さんが多くいました。そこで新規の生徒さんたちからいただいた入塾金などを貯めて、何とか最後の支払に間に合わせることができたのです。
それでも、本当なら前もって局長さんに支払うべき賃借物件の保証金を払うお金がない。そこで、局長さんには「新校舎になって、いずれたくさん生徒さんが入ってきたら、保証金を必ずお支払いしますので、それまでちょっと待ってください」とお願いして待ってもらいました。また、外に出す袖看板を作るお金もないので、初めのうちは袖看板なしではありましたが、それまでの三沢教室と程久保教室を併合して、何とか新学期に間に合う形で高幡郵便局の2階と3階に待望の「志學舎高幡教室」を開校することができました。工事が終わった時は「これで大手塾に負けない立派な教室ができたぞ」と、とても誇らしくうれしかったものです。これであとは新入塾生がたくさん入ってきてくれるのを待つばかり。
しかし。新教室ができてからというもの、入塾問い合わせがパタッと止まって、数週間経っても反応なし。「いったい、何があったんだ!」思わず顔色が青ざめました。
続きはまた次回。