高校部(東進)
囚人のジレンマってなんですか?
皆さんこんにちは。東進西八王子南口校の中村です。
なんと2020年も9月になってしまいました…。
今年はコロナウイルスの影響で、何の思い出作りもできていません。悲しいです。
2月頃から騒がしくなり半年以上このような状態で、思うように外も出られず、満足感の超薄い生活を送っています。
ビフォーコロナ時代に沢山遊んでおけばよかったな~。まあ、いまさら後悔しても仕方がないのですが…。
(ところで、なんで日野のブログなのに西八王子の先生が書いているの?と疑問に思った方もいるかと思いますが、そこはあまり気にせずいきましょう!)
さて、今日のブログは、少し重めのテーマです。ゲーム理論の一つである「囚人のジレンマ」について解説してみようと思います。(ゲーム理論っていうのは、簡単に言うと「駆け引き」の学問・理論です)
将来、政治や経済などを学びたいと思っている人は大学1,2年で学ぶものになります。
「大学ではこのようなことを学ぶんだな~」と理解してくれれば幸いです!
~囚人のジレンマとは~
囚人のジレンマとは、「お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる」というジレンマのことです(Wikipediaより)。
正直なにを言っているか分からない人がほとんどだと思います。例を一つ上げますので、どのようなものかを理解してみましょう。
とある犯罪を起こしたとして捕まったAさんとBさんがいます。二人は取り調べの中で、「自白」と「黙秘」を選択することとし、かつ取り調べでは、AさんとBさんは違う部屋にいるとします。
ここでは、それぞれの「自白」「黙秘」と刑罰の組み合わせとして
①相手が「黙秘」し、自分が「自白」→自分は無罪に、相手は懲役10年
②相手が「自白」し、自分が「黙秘」→相手は無罪に、自分は懲役10年
③二人とも「自白」→二人とも懲役5年
④二人とも「黙秘」→二人とも懲役1年
の四通りが考えられますね。
このような状況下では、二人とも自白するよりも二人ともが黙秘することが懲役1年という“全体的に”良い結果を得られます。
しかし、懲役1年よりも無罪の方が良いことは明らかです。相手が黙秘を貫き、自分が自白をして無罪になれるとしたら、「自白」という選択を取りますよね。
すると、相手が黙秘するか否に関わらず、二人とも「自白」という選択を取ってしまい(自身にとって「無罪」というより良い結果となる可能性があるから)、二人とも懲役5年という結果になります。互いにとって好ましくない結果に陥ってしまいます。
これがつまり、「囚人のジレンマ」です。少し難しかったと思います。
人間は、自己の利益を最大化する行動=「自分にとって一番好都合になるかもしれない」行動をとるため、このジレンマが生じてしまいます。
この囚人のジレンマは、日常にも、そして国際社会にも多く存在するものです。日常では、M屋とY野屋などの牛丼チェーンの値下げ競争に当てはめることができますし、また国際社会においては核問題や環境問題がその主な例として挙げられます。
この囚人のジレンマを引き起こさないためにも、アクター(当事者)間による協調を行う(例えば条約を結ぶとか)が必要なのですが、これはなかなか難しいものです。核兵器がなかなか廃止されない現状からも推察することができます。
今後の国際社会の課題は、こうした諸問題を解決するために、国連などの場を通してさらなる協調を促していくことかと思います。
一例ではありますが、社会科学系の学部に進学するとこのようなことを学びます。
このような学問をもっと研究してみたい!と思った方は、政治系や経済系の学部に進学するのがおすすめです!
こうした学問の他にも、大学では文学、社会学、物理学などなど、沢山の学問を学ぶことができます。あの憧れの大学に行きたい!いう気持ちももちろん大切ですが、それに加えて自分が好きな勉強・学問は何か、将来どのようなことを学び、研究したいかを考えて、大学・学部選びを行ってみてください!
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