コラム
志學舎勉強会⑤ ~アドラー心理学から~
志學舎では、アドラー心理学に基づいた生徒指導法について学んでいます。
今日の内容はこれです。
「『よくできたね』とほめるのではない。
『ありがとう、助かったよ』と感謝を伝えるのだ。
感謝される喜びを体験すれば、
自ら進んで貢献を繰り返すだろう。」
親や教師が子供の「共同体感覚」(※「他者に対する貢献」により形成される自らの居場所感)を高めるためには、自己信頼と他者信頼の体験を積ませることから始めなくてはなりません。具体的には、子供に協力を求め、それに対して感謝の言葉を伝えるのです。
感謝されれば誰でも嬉しいものです。そして、自分が行った貢献に対して感謝が返ってきたときに初めて人は自己効力感が満たされ、自己信頼を感じます。同時に相手に対しても信頼感を持つ。すなわち他者信頼も芽生えるのです。
「感謝する」のと「ほめる」のは違います。例えば、子供が片付けのお手伝いをした時に「ありがとう。とっても助かるよ」と言うのと、「偉いね。よくできたね」と言うのでは、受け取る際の印象が違うことがおわかりでしょう。「感謝」は横から目線。「ほめる」は上から目線です。現に、新入社員が社長に対して「よくできたね」とほめることはしないでしょう。それをされたら社長はむっとするはずです。なぜならば「ほめる」は上から目線であり、なおかつ相手に対して「期待していない」ことが前提だからです。
上から目線で「ほめられる」よりも横から目線で「感謝される」ことが自己信頼と他者信頼には、はるかに有効です。貢献と感謝の体験を増やすことが共同体感覚を養う上で最も大切なことなのです。
―「アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉」(小倉広 著)から引用―
志學舎の先生、
生徒には横から目線で「感謝」し、生徒が自分の居場所を作ることを応援しよう。志學舎が「共同体感覚」にあふれた場所になることを期待する。