コラム
ブログアーカイブ⑨「試験勉強は人を欺くもの」
ノーベル賞決定の時期になると、日本物理学の功労者「仁科芳雄博士」のことが、テレビでよく取り上げられます。
もう一度じっくり読んでください。
ためになるよ。
「試験勉強は人を欺くもの」 (2014年2月のブログ)
今日は、文語体文章の読解練習です。最後まで読みとおすべし。
「前日に翌日のことを予習して、教室にて注意して聞き、(なるべく教室にて、直ちに憶える様にすべし)、帰りては必ず復習す、此(この)三つをすれば、自ら憶えらるべし。而(しか)して一週間の後には、全科につきて大略に復習すべし。これは土曜日の晩か、日曜日の朝すれば可なり。」
「学校以外の参考書を読むべし。我等が学校で学ぶは、参考書を読み得る様な力を与えて貰(もら)うだけなり。参考書を読んで、自ら勉(つと)めねばならぬ訳なり。今余(よ)が言う参考書というのは、必ず学術の事ばかりを言う物にあらず、人物の修養となるべき本をも言うなり。今昔の偉人傑士の伝を読破するのは、何よりも好い事だ。徒(いたずら)に学校の学課に追われて、是等(これら)のことを怠ったら、学校で成績はよくても、社会に出てから役に立たぬ」
「試験勉強の如きは、殊(こと)に大害あり。殊に夜長く起きるは、最も愚の極(きわみ)なり。かくして勉強するも、直ちに忘れて何の用をもなさず、只(ただ)試験の成績よきのみなり。試験の成績よきとて何にもならず。試験は只よく学力がつきたるか否かを、教師が試すのみなり。我等は、只学力をつける事をなす事が必要なり。試験前に俄(にわか)勉強をするは、己(おのれ)の学力なきものを、ある様に教師に見せるものなれば、大なる悪事なり、大詐欺なり、大罪悪なり、教師をだますものなり。かくの如き悪事をなし、加うるに身体を害す、俄(にわか)勉強は必ずなすべからず。平常より勉学して学力をつける事を注意せよ」
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内容はすぐに理解できたかと思います。「直前の試験勉強は人を欺く(あざむく)もの、これは悪事です。平常の勉強で学力をつけること。」
(この手紙は仁科芳雄博士が自分の経験をもとに、最愛の弟にいかに勉強すべきか手紙に書いたものです。博士は、1890年に岡山県浅口郡新庄村(いまの里庄町)で生まれた。ヨーロッパに留学し、帰国後、のちにノーベル賞を受賞することになる湯川秀樹・朝永振一郎をはじめ多くの科学者を育て、日本の素粒子物理学を世界的水準に引き上げた第一の功労者です。)
耳の痛い指摘ですが、言っていることは正論だと思います。
中学生・高校生には、
「学校の定期試験に振り回されないように、毎日の学校の授業を大切にしなさい。そうすれば自分の志望する進路に向けて、多くの時間が費やせます。」と言っているようです。
【One Point English Lesson】
「~に集中する」:concentrate on ~
Concentrate on your school lessons!
(学校の授業に集中しなさい!)