コラム
志學舎保護者会⑭~教育誌から~
◇子どもは受験が近くなればなるほど、どんどん不安が高まります。そして、その不安から、何をしたらいいのか分からなくなります。しかし、そんな子どもの状態を見ていると、親御さんはついつい「何やってんの!受験が近いのに!」なんて言ってしまいがちになるものです。
◇しかし、ここは親御さんが子どもの不安に共感を示してほしいのです。「お母さんや
お父さんはあなたの不安を理解していますよ。あなたが不安に思うのは受験生とし
て当然のことですよ」という気持ちをもって、子どもにメッセージを送ってほしい
のです。
◇次に、その不安に負けないように、子どもが活躍した時のことや頑張っていた時のことを子どもに振り返ってもらうことです。
「A君、この夏の試合頑張っていたけど、あの大変な時、A君はどんな感じがした?」
「Bちゃん、夏休み、あんなに勉強頑張ってたけど、やってみてどんな感じがした?」
など、子どもが何かに真剣に取り組んでいた時や、頑張っていた時のことを思い出させて、大変なことも、これまで自分は乗り越えられたんだと実感してもらうのです。この実感が不安と向き合う力になります。
◇最後に、高校入学後のことを想像してもらうことです。社会人になって何がやりたいのか、大人になって何がやりたいのか、という目標を持ってもらうことです。
「A君、高校に入学したら何が一番やってみたいの?」
「Bちゃん、高校卒業したら、どうしたい?」
「C君何しているときが一番楽しい?その楽しいことを高校に入ってもやりたい?」
「Dちゃん、大人になってもやっていたいことは何?」
このような質問をしながら、高校入学後のことを想像してもらうのです。目標が高校受験以降の将来にあるという意識が受験生を強くします。
◇不安は、何か得体の知れないものです。ですから、不安の解消には具体的な行動の指示が必要なのです。今回は心理的な部分を紹介しましたが、勉強についての具体的なことであれば、学校の先生や塾の先生にアドバイスをしてもらうことです。「勉強しなさい!」と思ってそれを言葉に出しても、皆さんが望む結果にはなかなかなりません。それよりは、じっと我慢して子どもを見守ってほしいのです。ガミガミ言えば言うほど、受験生の不安はどんどん大きくなっていくものです。保護者の皆さんの我慢も受験生ケアにとっては重要なことなのです。
志學舎の先生達、
「不安の解消には具体的な行動の指示が必要」だよ。
この時期、我々の存在意義が問われる一番の時。
ぜひ、最善のアドバイスを!
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