コラム
志學舎勉強会⑧ ~アドラー心理学から~
志學舎では、アドラー心理学に基づいた生徒指導法について学んでいます。
今日の内容はこれです。
「あなたが悩んでいる問題は
本当に『あなたの問題』だろうか。
その問題を放置した場合に困るのは誰か、
冷静に考えてみることだ。」
アドラー心理学では「それは誰の課題か?」という問いを大切にします。例えば、子供が勉強しなかったとしましょう。多くの親は「もっと勉強しなさい!」と子供を叱ります。しかし、勉強する、という課題はいったい誰の課題でしょうか?
「それは誰の課題か?」を明らかにするのは簡単です。「その問題を放置した場合、不利益を被るのは誰か?」と問えばいいのです。成績が悪化した場合、不利益を被るのは子供自身です。良い学校に入れなくなり、将来、困るのは子供です。つまり、子供が勉強をしなくてはならない、という課題はあくまでも子供の課題であり、親の課題ではないのです。
しかし、多くの親は子供の課題に土足で踏み込みます。「子供のためを思って」と言い訳をしながら「もっと勉強しなさい」「いい学校に入りなさい」と親の思う通りにコントロールしようとするのです。そして、自分の支配欲を満たしたり、自分の世間体を取り繕おうとする。子供はそれを察知して、支配されることを拒絶するのです。
あらゆる人間関係のトラブルは、他人の課題に土足で踏み込むことにより起こります。親子間に限らず、友人間、上司・部下間においても同じこと。他人の課題に土足で踏み込んではいけません。私たちができることは支援だけ。もしも子供が勉強をしたい、と言ったら、支援する準備があることだけ伝え、後はそっと見守るしかないのです。
志學舎の先生、
自分がカリカリして生徒に意見するんじゃなく、
じっくり時間をかけて、それが誰のためのなんの課題か説明していきたいね。
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