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東進多摩センター駅前校校舎長兼志學舎多摩センター教室副教室長の福岡広徳です。

模試からみた2021年度私立大学入試動向

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2021年度大学入試を予想する。「私大編」①

まず、文系の学部系統から見てみます。

前年度より増加したのは「法・政治」系統のみでした。一方で、前年度まで人気だった「外国語」が減少しました。
「文・人文・人間系」「社会・社会福祉」「経済・経営・商」は横ばいとなっています。
次に、理系の学部系統について見てみます。２年連続増加傾向にあった「理学」は、今年度も増加しました。前年度から引き続き「工学」も増加傾向にあります。
しかし、2017年度以降、減少傾向にある「農林・水産・獣医」は、2021年度も減少が著しいです。「医学」も前年度に続き減少しています。「看護・保健・医療技術」は近年回復傾向にあったが2021年度は減少しています。「歯学」は、2021年度はやや回復しています。

それでは2021年度の各大学の動向を見てみます。

早稲田大では、前年度比で見ると、「文・人文・人間系」(前年度比125％)、「工学」(前年度比122％)が大幅に増加しています。しかし、他の学部系統は全て減少しています。中でも「教育・体育・人間発達」(前年度比62％)、「環境・情報・国際・総合」(前年度比79％)は大幅に減少しています。2021年度入試における選抜方式の変更有無による志望動向の変動が見られます。

慶應義塾大では、「環境・情報・国際・総合」(前年度比91％)、「看護・保健・医療技術」(前年度比92％)、「文・人文・人間系」(前年度比99％)の3つの学部系統では減少していますが、他はすべて増加傾向でありました。なかでも、「薬学」(前年度113％)が大幅に増加しています。

2021年度入試から共通テスト利用入試を導入する上智大では、「看護・保健・医療技術」(前年度比105％)、「環境・情報・国際・総合」(前年度比103％)以外すべての学部系統で減少しています。なかでも特に減少傾向にあるのは「法・政治」(前年度比79％)、「外国語」(前年度比83％)、「教育・体育・人間発達」(前年度比89％)です。

東京理科大は、2018年度から「理学」が増加傾向にあり、前年度比116％となりました。一方、経営学部は2021年度から国際デザイン経営学科を新設するものの「経済・経営・商」は前年度比69％と大幅に減少しています。また、基礎工学部は先進工学部に名称を変更するが「工学」は前年度比96％と減少しました。

明治大は、「文・人文・人間系」が前年度比115％と大きく増加しました。「農林・水産・獣医」(前年度比119％)も大幅に増加しています。一方で、「芸術文化・造形」(前年度比64％)は大幅に減少しており、「社会・社会福祉」(前年度比86％)、「工学」(前年度比87％)も減少傾向にあります。

個別学部日程において共通テスト併用方式が導入される青山学院大では、前年度に大幅に減少していた「法・政治」(前年度比137％)が回復しました。一方でここ数年増加傾向にあった「社会・社会福祉」(前年度比74％)は減少しました。「環境・情報・国際・総合」(前年度比72％)も大幅に減少しました。

立教大は、前年度からほぼ横ばいだったのが「経済・経営・商」(前年度比99％)、「教育・体育・人間発達」(前年度比99％)です。前年度、回復を見せていた「理学」は前年度比87％と減少しました。一方で、前年度大きく減少した「法・政治」(前年度比121％)は大幅に回復しています。

法政大では、前年度に減少傾向にあった「理学」が前年度比128％で大幅に回復しています。また同じく「工学」も前年度比114％で2016年度と比べると最も増加率が高くなっています。

中央大では、全学部系統が増加傾向にあります。2017年度以降、人気の減少傾向にあった「理学」(前年度比119％)、「教育・体育・人間発達」(前年度比113％)も回復しました。2019年に開設された国際情報学部を含む「環境・情報・国際・総合」は前年比118％、国際経営学部を含む「経済・経営・商」は前年度比107％と人気の増加傾向が続いています。