こんにちは、豊田教室の土井です。

前回の続きになります…。
東京ステーションギャラリーで暁斎展示を見てから、さらに総武線に乗って両国へ行きました。

両国駅は、両国！！！っていう感じがしていいですね。
なぜか駅構内にお相撲さんの肖像や手形があったり、駅横の建物内に原寸大の土俵が再現されていたり…。
左手前にこっそり移っているのは両国橋茶房さんの抹茶ラテです、お茶の香りがしっかり。

河鍋暁斎つながりで、すみだ北斎美術館の、「GIGA・MANGA　江戸戯画から近代漫画へ」を見に行きました。
前回訪れたときは展示替え期間で常設展しか見られなかったのですが、今回はボリューミィです。
河鍋暁斎の作品はもちろん、名だたる江戸時代の画家たちの作品を見ることができました。

セリフの吹き出しが胸から出ていたり…。
なんかもう野菜や魚介類が戦をしていたり、光線が出ていたり、わけわからんです。
発想力がすごい。
昭和末期・平成初期の教科書やドリルにある挿絵にも、なんとなく江戸・明治とつながってきた絵の雰囲気が残っているので、懐かしい感覚も得られました。

……なぜか明治・大正・昭和の近代ゾーンに入った途端に具合が悪くなりました。
こうなるともう脱出する以外に治りようがない。
仕方ないので、展示内容をどうにか確認だけして、足早に通り過ぎました…。
昔から、近代絵画や抽象絵画を見るとすさまじく具合が悪くなるんですよねぇ…なんの体質なんだろうか。
視覚的なアレルギーとかってあるんですかね。

具合が悪すぎてヘロヘロしていたのですが、美術館から出ると、ガラス越しに青い布がひらひらしていました。
洗濯物にも思えなくはないし、何かの展示にも見えなくもない。
なんだろう？と思って出入口をウロウロ徘徊していると手招きをされ…

なんかいきなり色々ともらった！手ぬぐいとかパンフとかメモ帳とか！！

ギリシャのアーティスト・画家であるジョージ・スタマタキスさんの展示でした。
贅沢にもご本人からパンフレットを渡していただき、さらに生で解説もしてもらいました。
「English OK？」に対して自信ありませんと伝えると、会場にいたスタッフさんにその場で英語の通訳をしていただき…すみません、すみません、そしてありがとうございます。
たまにわからん単語もあったので、通訳していただけて本当に良かったです。

なんかもう、ポッと入ってきた人間にこんなにも懇切丁寧な扱いをしていただいて大変恐縮でした。

単純に海の深さで色が違うのかなーと思いきや、藍染めによって起きた布のダメージ由来の色だと教えてもらいました。
葡萄酒色の海とホメロスがうたった、ギリシャの海の写真だそうです。いいなぁギリシャ行きたい！
水質汚染や温暖化の影響で海の色が変わっていくのを、藍染めによるダメージで色彩がゆらぐのと重ねて表現しているそうです。
単純な話じゃなかった。ちゃんと哲学があった。

サーキュレーターで布がふわりふわりと動くので、立ち止まって見ていても表情が変わります。
どこから見るかで印象が全然違うのが面白い。
明るい青もあれば、暗い碧もあり、くっきりした蒼もある。

そして地味に人生で初めて、ギリシャの人に、ギリシャ語（の単語）を発しました。
大学で勉強しててよかった～！でももっと単語を思い出せればなぁ。
「野菜」とか、全く場にふさわしくない単語しか思い出せなかった……野菜ってなんやねん、青物市場じゃないんだぞ……
……英語も含めて言語感覚は日常的に磨いておかないと、するする出てこないと痛感…。

こういった機会を得ると、どんなことにせよ、定期的に学び続けないいけないのだなぁとしみじみ思うんですよねぇ。
ここ二年くらいは忙しさにかこつけて、勉強をおさぼりしていました。
…２０２１年度はちゃんと計画立てて勉強したいなぁと考えては、います…。

そしてやっぱり旅はいいなぁ。思いがけない出会いで色々意識が刺激されます。
この世界には本当に様々な人がいる、というのは実にありがたいです。

色々なことがあった２０２０年でした。
２０２１年も自分にとってたくさんの学びが得られる１年にしていきたいと思います。
大人が、学ぶ姿勢を、見せねば。
そして少しでも授業で知的好奇心のアンテナに触れられるように頑張ります。