コラム
志學舎保護者会⑰~教育誌から~
子育ては、コミュニケーションですが、どういう視点でコミュニケーションを取ればよいかと言えば、子どもの当たり前にできていることに注目して、その出来ている点を良い点だと思いながら、コミュニケーションをとることです。
そのためには、人間の長所や短所を固定的な部分だと考えないことが必要です。今回は、この長所と短所について書こうと思います。
たとえば、元気のよい子どもと落ち着きのない子どもは、殆ど同じ行動なのですが、状況によって、その評価は全く異なります。運動場で元気のよい子どもは何も問題はないはずです。
しかし、お葬式で元気がよければどうでしょうか。落ち着きのない子どもということになって、問題児あつかいされてしまうかもしれません。
どちらの子どもも元気はよいのですが、置かれた状況で、その行動の評価が違ってきてしまいます。状況にその元気のよさがマッチしている場合は長所、マッチしていない場合は短所だと私たちは思ってしまうのです。
状況に置ける行動の適応度によって、長所になるか短所になるかが決まるのです。つまり、長所や短所は表裏一体なのです。状況に適応できるような行動を子どもが取れるようになることが、子どもにとっての成長です。
子どもの短所を直そうと親が必死になるのはよくわかりますが、実は、子どもの短所を直そうとすればするほど、本来子どもが持っている長所が失われてしまう可能性が多いのです。
それは、子どものセルフ・エスティーム(自己肯定感)を低めてしまうからです。ですから、短所を直そうとする以上に、状況に応じた行動を促すことが大切です。状況に適応出来た行動をとれば、承認を忘れないようにしてください。
状況に適った子どもの行動に親の関心が向けられるようになれば、子どもは自ずと状況適応をするようになります。その結果、短所よりも長所が目立つようになるのです。ぜひ、良い点を見つけて徹底的に承認をしていってください。
志學舎の先生達、
あの子は、
「飽きっぽい」じゃないんだ。「好奇心旺盛」なんだ。「興味の範囲が広い」んだ。
「おしゃべり」じゃないんだ。「社交的で明るい」んだ。
「だらしない」んじゃないんだ。「こだわらない」んだ。
「優柔不断」じゃないんだ。「思慮深い」んだ。「慎重」なんだ。
「強情」じゃないんだ。「意志が強い」んだ。「自分の意見を持っている」んだ。
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