コラム
3月10日は「桃始笑」
これ↑を何と読むかご存じでしょうか。
日本には古来、中国伝来の季節を表す言葉として、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けた「二十四節気(にじゅうしせっき)」というものがあり、「節(せつ)または節気(せっき)」と「気(中(ちゅう)または中気(ちゅうき)とも呼ばれる)」が交互にあります。「夏至」や「冬至」、「春分」や「秋分」、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」などはよく耳にしますね。
近いところでいうと、今年(令和3年)は3月5日が「啓蟄(けいちつ)」。啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、冬ごもりしていた地中の虫が暖かくなってはい出てくる頃、という意味。
二十四節気 | |||
季節 | 二十四節気名 | 月 | 新暦の日付 |
春 | 立春(りっしゅん) | 1月節 | 2月4日頃 |
雨水(うすい) | 1月中 | 2月19日頃 | |
啓蟄(けいちつ) | 2月節 | 3月5日頃 | |
春分(しゅんぶん) | 2月中 | 3月21日頃 | |
清明(せいめい) | 3月節 | 4月5日頃 | |
穀雨(こくう) | 3月中 | 4月20日頃 | |
夏 | 立夏(りっか) | 4月節 | 5月5日頃 |
小満(しょうまん) | 4月中 | 5月21日頃 | |
芒種(ぼうしゅ) | 5月節 | 6月6日頃 | |
夏至(げし) | 5月中 | 6月21日頃 | |
小暑(しょうしょ) | 6月節 | 7月7日頃 | |
大暑(たいしょ) | 6月中 | 7月23日頃 | |
秋 | 立秋(りっしゅう) | 7月節 | 8月8日頃 |
処暑(しょしょ) | 7月中 | 8月23日頃 | |
白露(はくろ) | 8月節 | 9月8日頃 | |
秋分(しゅうぶん) | 8月中 | 9月23日頃 | |
寒露(かんろ) | 9月節 | 10月8日頃 | |
霜降(そうこう) | 9月中 | 10月24日頃 | |
冬 | 立冬(りっとう) | 10月節 | 11月7日頃 |
小雪(しょうせつ) | 10月中 | 11月22日頃 | |
大雪(たいせつ) | 11月節 | 12月7日頃 | |
冬至(とうじ) | 11月中 | 12月21日頃 | |
小寒(しょうかん) | 12月節 | 1月5日頃 | |
大寒(だいかん) | 12月中 | 1月21日頃 |
この二十四節気のそれぞれの節気(約15日=半月ほど)をさらに3分割(約5日ごとに分割)したものに「七十二候(しちじゅうにこう)」というのがあります。
ここで二十四節気の「啓蟄」について見ると
二十四節気 | 七十二候 | 今年の日付 |
啓蟄 3月5日~19日 |
蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく) | 3月5日~9日 |
桃始笑 | 3月10日~14日 | |
菜虫化蝶(なむしちょうとなる) | 3月15日~19日 |
ここに表題の「桃始笑」が出てきました。
その読み方は「ももはじめてわらう」ではなくて「ももはじめてさく」。
桃の花が咲き始める頃、という意味です。
ちなみに「笑」と「咲」はもともとは同源。漢和辞典を引いてみると
【咲】 笑の古字。花が開く。
【笑】 ㋐よろこびわらう。うれしがる。
㋑あざわらう。あざける。
㋒えむ。ほほえむ。
㋓花が咲く。
(ともに『漢語林』大修館書店より)
とあります。
女優の武井咲さんは「たけい えみ」さん。
大相撲の阿武咲関は「おうのしょう」ぜき。(ちなみに現在の番付は前頭筆頭)
辞書を引ても「咲」に「えみ」とか「しょう」という読み方は出てきませんが、(「咲」=)「笑」は「えみ」とも「しょう」とも読みます。
また、「山笑う」(やまわらう)とは、春になって芽吹き始めた草木や咲き始めた花で山々がうっすらと色づく様子を表す俳句の春の季語です。
「故郷(ふるさと)や どちらを見ても 山笑う」 (正岡子規)
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