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よんをほむ③~シュンライ~
こんにちは、志學舎豊田教室の土井です。
昨日はものすごい雨と雷でした。
中央線も落雷の影響を受けたり、喫茶店では空が光る度にお客さんが外を気にしていたりと落ち着かない一日でした。
あまりの風の強さで足元がべしょべしょでした、恵みの雨とは言うけれども。
久々につま先が濡れて気持ちの悪い思いをした。
小さい頃、春先にゴロゴロと雷が鳴る日に、母親から「シュンライ」という言葉を教えてもらいました。
シュンライは春の雷と書くということ、雷が落ちるのは怖いこと。
母親は幼少期、目の前の人に雷が落ちるというのを経験したため、雷が苦手なのだという話も聞きました。
「雷が鳴るともう本格的な春になる」
そんなわけで、雷といえば夏の季語ではあるのだけれど、個人的には春という印象が強い。
冬の冷たい空気と、春のあたたかい空気が、上空で押し合い圧し合いをしているのか。
雨雲が通り過ぎれば、気持ちも空気も心なしかすっきりとする。
清涼という言葉が似合う空。
雷でふと思い出したのが、こちらの本。
宮部みゆきさんの『孤宿の人』。
親にも見捨てられ、周りの大人にも見捨てられ、あほうの「ほう」と名付けられた少女の物語。
舞台は江戸時代の小さな瀬戸内海の藩の中での出来事なのだけど、世界の不条理というか、理不尽さが凝り固まったような、読んでいくうちに頭を抱えたくなるようなものすごく重たい小説だった。
登場人物全員がつらい・しんどい。
読んでいる最中は、宮部さんって、もしかして人間のこと嫌いなの?と思ってしまう。
だから、ページを繰っていくのがつらいのだけれど、それでもちゃんと希望が残る。
宮部さん、すごく人間のことを愛しているな、と思える。
人間のこと、社会のこと、全部嫌になっちゃっている人は読むといいかもしれない。
心が傷ついて疲れている人に読んでほしい。
(電車の中とかでは読まない方がいい、目からハイドロポンプになる)
主人公の「ほう」という名前に、物語の中で数回「意味付け」がされるのだけど、あれはずるいよなぁ。
個人的には、ご牢番の若い衆と、ほうの返事が重なるシーンが好きです。
あと故・児玉清さんの解説があなどれません、小説で解説が名文だなぁ…と思えるの、かなりレアだと思うのです。
物語の中でも季節は夏なのだけど、人生の節目である今の季節に触れてもいいんじゃないかなぁという一冊です。
春だ。
春がきているぞ。
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