コラム
合格発表 今昔物語
こんにちは。志學舎本部の岩田です。
3月も半ばを過ぎ、大学入試シーズンも最終盤。毎年この時期になると、自分自身の受験のことを思い出します。
入試の合格発表。われわれのころはインターネットがなく、合否確認はその学校に行って合格者の受験番号がずらっと並んだ掲示板を発表日に自分で見に行かなくてはなりませんでした。私自身のことを振り返ると、高校入試が1勝3敗、大学入試が2勝3敗でした。これらの発表をすべて自分で学校まで見に行きました。こうしてみると不合格のほうが多かったのですが、記憶に残っているのはなぜか都合よく(?!)合格した時のことばかり。
とくに大学入試の時のことはよく覚えています。最初に私大で立て続けに3連敗。その次の合格発表の日は、他大学の入試日と重なったため、夕方前に入試を終えてからまっすぐ都心に向かい、合格発表を見に行きました。
午後6時ごろだったか、辺りはすっかり暗くなっていて、ライトに照らされた合格掲示板が漆黒の中にボーっと白く浮かび上がっていました。こんなに遅い時間に見に来ている人は皆無に近く、シーンとした静けさの中で、受験票を片手に自分の番号を探すと「あった!」。何度も見返して間違えなく合格であることを確認すると、親に合格報告の電話をしなくては、と公衆電話を探しました。(当時は携帯電話などありません。)
大学の外に出てようやく公衆電話を見つけると、すぐに受話器を取って10円玉を数枚投入して自宅に電話。「受かってた!」と電話に出た母に報告。すると、電話をしている私に後ろから近づいてきて、私の顔を下から覗き込みながら「お前、受かったのか。へっ!」と捨て台詞をはいて立ち去る男が。おそらく彼は不合格で悔し紛れに悪態をついたのでしょう。
もう一つの合格発表日は、高校の卒業式当日でした。したがって、卒業式が終わった後、制服を着たまま見に行きました。その日は晴れていました。もう昼を過ぎていたので掲示板の周りにはあまり人がいませんでしたが、ドキドキしながら受験番号を探すと「あった!」。すると後ろから「えっ、合格したの?」「はい」「おめでとう!」と、いつのまにか屈強な男の人たち数名に囲まれたと思ったら、次に瞬間、「万歳!万歳!」の掛け声に合わせて私の体は宙に舞っていました。大学のボート部の人たちが胴上げしてくれたのです。そのあと、写真も撮ってくれて「写真を送るから住所と名前を書いて」と言われるがまま書くと、「入学したらぜひボート部に入ってね」とその場で勧誘されてしまいました。結局その大学には進まなかったのでボート部に入ることもありませんでしたが。
後にも先にも、胴上げされたのはこの時だけ。今となってはいい思い出です。
受験の通算成績は決して良かったわけではありませんが、進学先での学校生活は、友人や先生にも恵まれて、とても楽しく充実したものとなりました。
インターネットが無い時代の合格発表はすべてこんな感じでした。
受験時に大学側から「電報詐欺に注意」と言われたものです。
大学の外で「合格発表時に本人の代わりに掲示板を確認して合否を<電報>で連絡してあげます」などと言ってお金をだまし取る手口が横行していたのです。
携帯電話やインターネットが普及した今では考えられないことかもしれませんが。
今年はコロナ禍もあってほとんどの学校がインターネット上での発表だったようです。
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