高校部(東進)
全然大丈夫、は全然大丈夫でないのか
こんにちは、東進衛星予備校日野豊田校の細川と申します。
最近よく「あ、全然大丈夫です」という言い回しを耳にします。
個人的には誘いを断っているのか構わないと賛同しているのか定かでないのでやめて頂きたい言い回しなのですが…ともあれ、幸か不幸か世の中でこのような言い回しが増えてきているのは事実なのでしょう。ではこの言い回しの正否は如何か、となると閉口してしまう人が多い気がします。今回はこれに踏み込んでみようと思います。
前提として ”全然” はその後ろに否定語を用いていくものとされています。「余裕は全然無い」「何回やってもけん玉が全然出来ない」などの言い方が標準とされています。事実(個人の所感ですが)その方がこの言葉を適切に文中で使用できているなという感覚になります。故に、「全然大丈夫」という言い方には違和感を覚えますし教育上正しい言葉では無かろうとツッコみたくなる訳です。事実、社会に出て社内宛てでも社外宛てでもそのような言い回しは上司から注意されるでしょう。少なくとも私が上司ならそうします(たとえ私が良かろうと思っていても顧客や先方がどう思われるかは定かではないですし)。
では全然大丈夫という格好の言い回しがこれまで皆無だったかと言えば、そうでもないらしいです。かの有名な夏目漱石や国木田独歩が、「腹の中の屈託は全然飯と肉に集中してゐる」「全然恋の奴隷であつた」という使い方をしていた事実があります。少なくともこの二つに関しては全然の後ろに否定語は来ていませんので、そのような意味合いを意図して使われていないのは明白です。尤も所謂文豪が文語体の文章で用いていたわけですから、フォーマルな使用を意図していないのもこれまた明白でしょう。この例を良いことに「全然を肯定的に使う事は全然大丈夫だ!」と言い張るのは、如何なものかということです。
ただここまで述べてきたように口語として肯定的な全然が使われていて、且つその意味合いで相互理解が可能になっているので、言語学上このような営みを否定することは出来ません。言語変化の一構成物として意味変化はありますし、気付いたら後から出来た意味で使うのがコモンセンスになることもあり得る話です。変な話ですが、傍観者的な立場から今後この言葉の言い回しの変化を観察してみようかな、なんて思う次第です。
参考…「言葉のてびき-教育出版, https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/textbook/chuu/kokugo/guidanceq031-00.htmlより引用, 最終閲覧2021年4月8日」
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