コラム
志學舎保護者会⑳~教育誌から~
ゴールデンウイークが明けると、
1学期の学習も本格化。
小学生の保護者様にはぜひ知っておいてほしいことです。
「音読」の勧めです。
今月のテーマ:☆記憶力の旬は7歳から12歳☆
同じ文章の音読を1ヶ月続けると子供たちはすっかり覚えてしまい、本を見なくても文章が口をついて出てきて暗唱できるようになります。記憶力は7歳から12歳にかけて著しく発達するといわれていますが、まったくこの時期の子供たちの記憶力には、目を見張るものがあります。
どれだけ素晴らしいのか、ある男の子の例を紹介しましょう。
その子は、のんびり屋で国語が苦手でしたが、お母さんが「『ひとつの花』を毎日読んで、すっかり全文を覚えてしまいました」と報告してくれました。
ええ、まさか⁈『ひとつの花』は戦争をテーマにした、教科書14~15ページにもわたる長文です。それを私は1ヶ月かけて教えていましたが、とても、信じられません。しかし、ともかくお母さんがそのように言っておられるのです。試しに、休み時間に暗唱してもらうことにしました。
すると、どうでしょう。
あの長文がすらすらと男の子の口から出てくるではありませんか。驚きを通り越して感動すら覚えました。そのうち、他の子供たちも暗唱に引き寄せられるように集まり、男の子を取り囲みました。
後半でつまるようになると、まわりから「あれやがな、あれ」と声援が飛びます。集中していたからでしょうか、「あれやがな」と言われただけで男の子にはわかるんです。ついに全文を暗唱し、拍手喝采を浴びました。
私にとって忘れられない出来事です。鍛えれば子供の記憶力はここまで発揮されるのかと目を開かされたのです。
このように、音読はすべての学習の基礎であり、子供の記憶力を高める効用があります。
家庭でも、ぜひ教科書を毎日音読させてください。
『鍛えれば子供の記憶力はここまで発揮される』
(隂山英男著「学力は家庭で伸びる」から引用)
志學舎の先生達、
小学生の記憶力の発達は、目を見張るね。
ぜひ、いい指導につなげてください。