こんにちは！東進日野豊田校の倉田光瑠です。

突然ですが、今アメリカで「アンフェタミン」「メチルフェニテート」といった物質が物議をかもしているのをご存じでしょうか？

この物質は従来、認知症や注意欠陥多動性障害（ＡＤＨＤ）、ナルコレプシーの患者に対して精神を落ち着かせたり、脳の働きを活性化させたりする目的で、薬に用いられた成分です。
それが今、アメリカの受験生達に用いられており、「ドーピング」にあたるのではないかと物議をかもしており、尿検査などといった処置も検討されているようです。

特にＡＤＨＤに明確な基準がなく、自己申告によってそう診断される事も可能なため、非常に難しい問題になると思います。
例えば、本当にＡＤＨＤの人はどうなるんでしょうね？（そもそも本当にADHDってなんだ？って話にもつながります。）もし（本当に）ＡＤＨＤであっても服用が禁止されるのであれば、症状を抑えることが禁止なのだから、頭痛薬や生理痛の鎮痛剤、鼻炎薬も禁止されるのか？そもそも集中力の欠陥ってどこから認められるんだ？僕も集中力で困る事が多いから、その点では病気と判断することもできるかもしれないな。そもそも、どこから病気の定義内に入るんだ？と次々と疑問点が出てきます。

病気をどう定義するか。そして集中力の欠如といった誰しもが抱える悩みを、どこからは病気とみなし、薬による補助を許可するのか。あるいは、そもそも集中力欠陥であっても喘鳴的に薬の服用は禁止するのか。だとしたら同じ症状を緩和する目的で用いられる頭痛薬などはどういう扱いになるのか。倫理・哲学的な問題や脳科学的な問題、社会学的な問題など色々な問題を内在している非常に興味深いテーマだと思っています。是非今後の行方に注目してみてください。