高校部(東進)
大学での学び⑦
こんにちは。
東進多摩センター駅前校校舎長兼志學舎多摩センター教室副教室長の福岡広徳です。
東京理科大 経営学部ビジネスエコノミクス学科
菅原慎矢准教授インタビュー
■コロナ禍における介護のあり方
東京理科大経営学部ビジネスエコノミクス学科の菅原慎矢准教授の専門は計量経済学である。
計量経済学は、経済データから、経済現象の発生メカニズムを実証する学問分野である。
現在、菅原准教授が関心を寄せる研究テーマの1つは、「高齢者介護の経済分析」だ。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、「誰もが感染するリスクと、誰でも感染させるリスク」があることから、他者との接触を極力避けるようになっており、感染リスクが高いとされる高齢者の介護施設の利用状況に影響を与えている。
「デイサービスと呼ばれる通所介護が、『密になる』といった理由から、コロナ禍において利用控えが顕著になっています。これは日本だけではなく、国際的に起こっている現象です。この対策として、政府は自宅にヘルパーさんを派遣する訪問介護で代替しようとしていますが、それもあまりうまく機能しているとはいえません」
通所介護に替わって訪問介護が機能しないのは、自宅にヘルパーなどの他人を入れることに家族が抵抗感を持っているためだ。
新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた頃から、専門家や介護の現場では、介護施設の利用控えが起こるだろうといわれていた。
この実態を菅原准教授は、データを使い、いち早く実証的研究で明らかにしたのだ。
「この分析には、地域レベルのデータを用いました。個人レベルのデータはまだまだ手に入らない状況であったことと、速報性が必要な研究であったためです。分析の結果、通所介護の利用が減少しましたが、高齢者の方に必要な介護が無くなったわけではありません。介護が必要な高齢者の方々は、通所介護に行かずに、家庭の中で女性が介護をするようになったのです。女性の労働時間は、テレワークの導入が進んだことで減少し、その減った時間が家庭内介護という形で代替されていることがわかりました。介護保険が始まってから約20年経ちますが、女性にシワ寄せがいってしまうのを見ると、まだまだ介護保険の当初の目的は達成されていないと感じます」
介護保険制度は、介護による離職が増加し、社会問題化する中「家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支える」ことを目的に創設されたのだが、コロナ禍の中では、機能しているとはいえないのだ。
菅原准教授の研究は、新型コロナウイルス感染症拡大の第1波の時期を対象としており、第2波、第3波のデータは含まれていない。
6月20日で沖縄県を除く9都道府県で緊急事態宣言は解除となったが、高齢者介護施設の利用控えが続けば、家庭内介護による女性の負担増加のほか、介護労働者の失業率に影響を与える可能性もある。
高齢者介護施設の利用状況等について、データ分析を通じた実証研究が進むことで、効果的でスピーディーな社会福祉政策の実行が可能になるだろう。
菅原准教授は、今後もデータを注視し、研究を続ける。
続く
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