コラム
志學舎保護者会㉕~教育誌から~
子どもとのコミュニケーション、上手くいっていますか?
これは会話には大切なことです。
アメリカの心理学者が、コミュニケーションに関する実験をしました。どういう実験かというと、二人一組になって、一方が手で机を叩いて相手に曲名を知らせるという実験です。実験する前は、かなりの人が曲名は当たるだろうと思っていたそうですが、結果は大外れだったそうです。相手に対してただ手で机を叩くだけでは、曲名は、全く伝わらなかったのです。
私もこの実験を知って、数年前に保護者会で、参加していただいた保護者さんにこの実験と同じようなことを行ってみました。まずシンプルな曲の「さくら」を、机を叩いて聞かせてみました。
なんと一名のお父さんが正解でした。その他の14名の方は、全く曲名すら思いつきませんでした。続いて、スマップの「夜空ノムコウ」を叩きましたが、誰もわかりませんでした。こちらは、誰からも曲名すら出てこなかったのです。そこで、「スマップの曲です」とヒントを与えてみたら、数名の方が、すかさず答えを言ってくれました。
この実験で分かったことは、コミュニケーションを理解するためには、理解する前提なり、理解を助ける文脈が大切だということです。自分だけで思っていることは、子どもには全く分からない可能性があるのです。ですから話をする前に、相手に話の前提を示さなくてはならないのです。前提や文脈を、親と子どもが共有してこそ、話の理解が図れるのです。そのことを、この実験は教えているのです。頭の中に音楽が流れているからこそ、手を叩くだけで曲になっていくのです。もし、そういう音楽が頭の中に流れていなければ、手で机を叩く音と音楽が結びつかないので、曲にならないのです。
つまり、子どもと話す時は、子どもと「話の前提」を共有することです。子どもが理解する文脈で話をすることです。そうしなければ、スムーズなコミュニケーションは、図れないと思った方が良いのです。
志學舎の先生達、
一方的な会話をしていませんか?
「話の前提」を丁寧に伝えることが大切です。
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