数学が好きなキミへ

2021.11.16 コラム

面白い記事を見つけたので、紹介します。

「コラッツ予想」　証明できたら１億２０００万円
「数学の面白さ感じて」日本企業が懸賞金

一見単純そうなのに８０年以上も数学者を悩ませている未解決問題「コラッツ予想」の証明に、日本のベンチャー企業が１億２千万円の懸賞金をかけた。問題は小学生でもわかるほど簡単だが、数学者の間では「はまると病む難問」「宇宙人が仕向けた罠（わな）」などと恐れられている。

コラッツ予想は、１、２、３……と無限に続く整数の問題だ。1937年ドイツの数学者ローター・コラッツ(1910～90)が予想したのは、次のような内容だった。
「どんな正の整数も、偶数なら２で割り、奇数なら３倍して１を足す。この操作を繰り返せば、必ず最後は１になるだろう」
３を例にとると、３は奇数なので、3倍して1を足すと10。10は偶数なので２で割ると５。操作を続けると３→10→５→16→８→４→２→１となり、７回の操作を経て、１になる。

２～３桁の数なら自力でも確かめられる。2011年度の大学入試センター試験の「数学ⅡB」でも出題され、この時は、６と１１は、何回の操作で１になるか、などが問われた。

数々の数学者が挑んだものの、予想が正しいのか分かっていない。コンピューターを使って２１桁までの整数で予想が成り立つことが知られている程度だ。

米カリフォルニア大ロサンゼルス校のテレンス・タオ教授(46)は2019年、「ほぼすべての数が、最終的に１に非常に近づく」と証明に肉薄した。
タオさんはメールでの取材にこう答えた。
「登山に例えれば、私は山の大部分にロープを張り、登りやすくした。だが、まだ頂上に達するには、まだ通れない非常に危険な場所が１カ所ある。解決へ前進したが、100％の証明には遠く及ばない」。
研究チームの数人が今も解決に取り組んでいるという。