コラム
志學舎保護者会㉙~教育誌から~
いいヒントです。
褒めて子どもを育てるべきだとか、アメとムチだとか、子育ては色々な考え方があります。今回は、ちょっと違う視点の子育て法を紹介したいと思います。
子:「お母さん。テストで100点だったよ」
母:「偉いわね。100点を取れるなんて・・・。これからも頑張るのよ」
上の会話をどう思われますか。多くの保護者の方には、ごく普通の応答のように感じるかもしれません。この応答自体が問題あるわけではありません。しかし、ある時、弟が90点とって来た時、
弟:「お母さん。テストで90点だったよ」
母:「偉いわね。90点取れて・・・。これからも頑張るのよ」
弟:「うん」
兄:「お母さんずるい!」
母:「何がずるいの?」
兄:「だって、僕は100点だったのに、なぜ90点の○○が偉いの?」
さあ、兄の発言に対して、あなたは何と応えるでしょうか。
兄は、ちょっと感情的になっているかもしれないので、何を言っても聞いてもらえない可能性があります。結局、互いに「なんでわかってくれないの!?」と感情的になってしまうかもしれません。
日々の「偉い」が褒め言葉であり、子どもにとっては、何かを達成した時のご褒美になっていた可能性があるのです。親として、子どもの行動の結果に対して「偉い」と言いたくなったら、ただ、「お母さんうれしい」とか、「たくさんの問題が解けるようになったのね。お母さんうれしい」と応答してみてください。
この応答であれば、お母さんの気持ちを伝えているだけで、お母さんによる子どもの行動の結果に対する評価ではありません。ですから、仮に90点だった弟に対して、「お母さんうれしい」と伝えたところで、兄が感情的になることはないでしょう。仮に、「なんで、90点なのにお母さんはうれしいの?」と兄に聞かれても、「だって、二人共がんばっているから嬉しいの!」と応答すれば、兄も弟も引き続き、お母さんの期待に応えようと頑張る可能性が高くなるのです。
褒めること自体が悪いわけではありませんが、子どもが褒められるために行動するとしたら、決して自律とは言えません。人に喜んでもらうために頑張ろうとするモチベーションは、将来の
仕事に向かう姿勢についても大切ですから。
志學舎の先生達、
最後の、
「人に喜んでもらうために頑張ろうとするモチベーションは、将来の仕事に向かう姿勢についても大切です」
というアドバイス、我々にも強く響きますね。
たくさん喜んであげて、笑顔につなげてください。
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