先日、ある大先輩方のお誘いを受けて春の高尾山へ。

 

ある大先輩方とは、数年前に他界した父の大学時代の山のクラブのOBの方々で、父の先輩、同期生、後輩の総勢６名のみなさんに世代を超えて集まっていただきました。父が大学を卒業してからも、長年の間、全国各地の山々にご一緒していた父の山のお仲間達。

 

父の葬儀に参列して頂いた際に、あるお一人が、息子の私に「あなたは山に登るのかい？」と聞かれて「父ほどではありませんが、たしなむ程度に少々」と私がお答えしたのを、ずっと覚えていらっしゃって、今回の高尾山行にお誘いいただいたのです。

JR相模湖駅に集合して、神奈中バスで千木良（ちきら）バス停まで行き、近くの登山口から登り始めてまずは城山（しろやま）へ。山頂のベンチでお昼ご飯。バーナーで焼いたサバの醤油漬けやウインナー、入れたてのコーヒーなどをご馳走して頂きました。その後、高尾山の山頂まで歩いて、帰りは、北斜面を下って裏高尾と呼ばれる日影沢へ至るルート。さすがは山の達人の計画。おいしいお昼ご飯、混雑を避けた静かなコース、とても良かったです。

 

ほぼ初対面の私に対して、みなさん、とても優しく、心温かく接してくれました。私の知らない生前の父のお話や、山でのエピソードなど、いろいろと伺うことができて、みなさん和やかに終始笑顔でとても楽しい一時を過ごすことができました。「横顔がお父さんそっくりだなぁ」などと言われて、嬉しいやら恥ずかしいやら。気が付けば、人生の先輩たちに囲まれてこうしてお話を伺う機会もめっきり少なくなっていた中で、私自身にとっても貴重な時間となりました。本当に感謝です。

 

亡くなってもなお父に思いを寄せてくださる山のお仲間たち。なんとも有難く、熱い友情、深い絆を感じずにはいられませんでした。こんなふうに、卒業後もずっと長くお付き合いできる友人と塾生のみなさんも学生時代にきっと出会えるはず。かけがえのない一生の財産となることでしょう。