コラム
スプリング・エフェメラル(春の妖精)①
前回(○○の水芭蕉 | 【公式】学習塾 志學舎 (sigakusya.com))に引き続き長野県の戸隠高原で見てきた花のお話。
雪深い戸隠高原。その雪が解け始めて地表が現れてくるのが4月末から5月ごろ。すると、地面から一斉に葉を伸ばし、やがて花を咲かせます。その後、実をつけてすぐに葉を枯らして地上から一切の姿を消してします。
その間、わずか1~2か月ほど。とくに、群生して花をつけるのはたった2週間。その儚(はかな)さから、「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」と呼ばれる花の一つが、これ。
カタクリ(片栗)。
この写真では大きく見えますが、実際には高さ10~15cmほど、花の直径は4~5cmほどのとても小さな花です。
晴れている日には、このように花を下向きに開きます。
カタクリの生涯は何とも変わっています。
1年目の春に1枚の葉だけを地表に出し、たった2か月程度で枯れてしまう。1年のうちたった2か月、そのわずかの間に光合成で作った栄養を地下の茎に蓄えて、翌年の春までほぼ休眠状態に。
これを何と7~8年ただひたすら繰り返します。
こうして芽を出してから7~8年かけて地下茎に貯めた栄養素を使って、8~9年目の春に葉を2枚出して初めて花をつける。その花の群落も2週間ほどですっかり消え、やがて葉も枯れて1か月もすると地上から跡形もなく姿を消してしまうのです。
以後数十年間、このサイクルを繰り返します。
その昔、栄養が蓄えられたカタクリの地下茎から取ったのが「片栗粉」。ただし、量が極めて少ないことから、現在ではジャガイモやサツマイモからとったデンプンを片栗粉として使っているのがほとんどだそうです。
ちなみに、この写真を撮った前日、小雨の日に撮ったのがこれ。
花は下向きに閉じています。
これは、雨水で花粉を流されないようにするためだそうです。
それから、ごくまれに見られるのが、
白いカタクリ。突然変異種だそうです。戸隠で見つけました。とても珍しいので「幸福をもたらす花」とも呼ばれています。みなさんにも幸福が訪れますように!
志學舎ではSNSで情報発信中!ブックマーク登録、チャンネル登録をお願いします!
人気ブログランキング
↑受験カテゴリー1位!応援クリックよろしく!
にほんブログ村
↑こちらも頑張ってます!応援クリックよろしく!