高校部(東進)
私大の追加合格減少への動きか -文科省の狙いとは-
こんにちは、東進日野豊田校の細川です。
今迄、熊本県のアサリやら#7119やら一部事務組合やら、ブログを一通り見ても「結局何だったの?」と言われかねない内容のブログも度々挙げてきましたが、今回も政策的な事ですが大学入試の話題を挙げようと思います。受験生や特に親御様にとって大変重要な話題だと思われますので是非。題としては「私大の追加合格減少」です。少し話題を惹くように題名を設定しているので、これだけ見ると「合格者減るの?」と不安がる方も多いでしょう。ただ実際は寧ろ逆なのでご安心ください、これから説明します。
ここ数年、大都市圏への学生の過度な集中を防ごうとして文科省が私大に対してかなり厳格な入学定員規制を課していました。定員を1.1~1.3倍上回ると大学への補助金を全額カットするという大胆な策でしたので、当然大学側はこれに従っていました。この影響として、「どうせうちの大学辞退して他の私大や国公立大に行くだろう」という読みで、定員に対してかなり多くの合格者を出しておくという私大のスタイルが取りにくくなっていました(予想以上に皆自分の大学にそのまま入学すると定員過多で補助金カットされるので)。ただ、当然私大Aを辞退して私大Bに行く人も国公立大Cに行く人も様々で、結局定員より入学者が少なくなってしまった。こうなると大学側は収入面で苦労するので、2月から3月にかけて定員ぎりぎりまで「追加合格」を出す。これで収入を担保していた、という事です。
学生・保護者側にとって痛手になるのは追加合格が一般の合格発表に遅れる点。第一志望大Aに落ちて第二志望大Bに合格し、「Bに行くか」と決めて入学金まで払ったのにAの追加合格が3月になって出たのでAに入学することにして、Aの入学金も払う。こうなると、決して安くない私大の入学金を複数校分払う必要がある。下の画像のように金をどぶに捨てられる程の金持ちなら兎も角、兄弟姉妹皆進学を望むような家庭の場合かなりのネックになっていたのは間違いありませんでした。場合によってはAとBが地理的に大分離れている(地方の学生で、志望大Aが東京の私立でBが地元の国公立とかいうケース)ことも考えられ、この場合下宿先の問題も発生するので更に厄介になりえるのです。
これではマズい(都市圏への学生の密集を避けられても経済的負荷が大きすぎる)という事で、文科省が手を打つことになりました。都市圏への学生の密集を避けるという政策目標は変えられないとなると、方策を少しいじる必要が出てきます。それが今回、「全学年の総定員で以て判断する」という基準に変更されました。要するに、2023年入学者が定員より大分オーバーしてしまったとしても、2024年入学者でその分を減らせれば総体として定員超過にはならない。このようにして毎年度上手く調整する事で、毎年毎年合格を出す生徒を切り詰めなくて済むようになるというのが狙いです。また、「この年の子達は特に優秀だ」というケースでも通年通り切り詰めねばならず断腸の思いだ、ということにもならないでしょう。これにより、2月中に終わる一般合格発表で合格を出せる生徒数が増える(=3月追加合格発表者が減る)ことになるのです。勿論、上の例でいけば2024年に入学者を減らす必要があるなら結局合格切り詰めは避けられないという批判はあるのでしょうが、先程申し上げた通り政策目標は蔑ろには出来ません。
ということで、私大の追加合格減少への動きを見てきました。2023年春入試からの適応になりますので、今年に関しては首都圏私大の一般合格者が一時的に増える可能性が見込まれます(他方、2024年春は相対的に減るかも知れません)。受験は情報戦とも言われますから、様々な情報を得た上で臨むようにしましょう(勿論真っ赤な嘘もよく蔓延っていますから注意すること!)。
今回は以上になります、閲覧誠に有難うございました。
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