コラム
遠くの〇〇より近くの◎◎
まだまだ残暑厳しい9月のある日の夜、我が家のリビングのエアコンが故障しました。
電源を入れても生温(なまぬる)い風しか出てきません。
とりあえず、家じゅうの扇風機をかき集めて稼働させるも、部屋は蒸し風呂状態。温度計は30度を超えていて、針が「熱中症危険範囲」を示し続けている状態。
急いで購入先の某大手通販会社の連絡先を探すも、受付は午前10時から午後5時まで。すでにその時間は過ぎていました。
とりあえず、その日の夜はエアコンのある寝室で過ごし、翌朝、10時になるのを待ってコールセンターに電話。
すぐにつながって、こちらから症状を伝えると、「では、メーカーのサービスマンを手配いたします。現在たいへん混み合っておりまして、最短で10日後の訪問になります。」とのこと。
内心、「え、10日後?この暑いのを10日間も我慢するの?」と思いましたが、仕方がないので「それでお願いします」と言って電話を切りました。
うーん、何とかならないものか。
少しして、以前、同じエアコンが故障(その時はエラーランプが点灯してすぐに停まってしまう、という今回とは違う故障)したときに来てくれた近くの電気屋さんを思い出し、その時にもらった名刺を探し出して電話してみました。
「わかりました。今日は仕事がいっぱいなので、明日の朝一(あさいち)で伺いますね。修理できるかどうかは実際に見てみないと何とも分かりませんが、とりあえず行きますね。」との返事。
翌朝、9時ごろにその電気屋さんが家に来てくれました。エアコンのスイッチを入れると、例のごとく生温い風が出てくるだけ。
そこで「ちょっと、室外機を見せてください。」と外へ。
しばらくして電気屋さんが家の中に戻ってくると、「室外機にあるガスが少し減ってますね。たぶんこれを補充すれば大丈夫だと思いますのでやってみますね。」といってまた外へ。
ものの数分で戻ってくると、再びリモコンのスイッチオン。
すると、今度は、サーっと冷たい風が!
程なくして、我が家のリビングは、以前のように涼しくなりました。
「これで大丈夫だと思いますので、しばらくこれで様子を見てください。もし、また何かあったら連絡ください。では、失礼します。」と言って、その電気屋さんはお代も取らずに颯爽と帰っていったのでした!何とカッコよい!
その日、町の電気屋さんは我が家のヒーローになりました。
蒸し風呂状態を少なくとも10日間は我慢しなければならなかったところが、たった1日、しかもわずか数分で解決してしまったのです。
「遠くの親戚より近くの他人」ということわざがありますが、「遠くの(大手)業者より近くの(町の)電気屋さん」のありがたさがよく分かりました。電気屋さん、ほんとうにありがとうございました。
昨今は家電量販店や大手通販業者に押され気味で大変だと思いますが、町の電気屋さん、これからもどうか頑張ってください!