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「ゆとり教育」の背景
こんにちは!志學舎日野教室の神前です。
「ゆとり教育」一度はこの言葉を耳にしたことがあると思います。有名な話として、「ゆとり教育を受けていた世代は円周率を3で教わっている」という話を聞いたことがあると思います。(実はこの話には裏があるのですが、その話はまたの機会に・・・)
否定的に捉えられてしまうことの多い、いわゆる「ゆとり教育」がなぜ誕生したのか、その理由を明確に知っている方は少ないと思います。今回はなぜこのような教育がなされたのかを説明していきます。
「ゆとり教育」が誕生した背景に、経験主義というものがあります。経験主義とは児童・生徒の疑問や発想から体験的な学習を通して必要なことを身につけようとしていくものです。これはそれまで行われていた系統主義という、科学や学問の成果を、段階を追って指導していこうというものに反するものです。平成14年度から実施の学習指導要領のポイント( https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/cs/1320944.htm )に、「自ら学び自ら考える力などの『生きる力』をはぐくむ。」とあるように、児童生徒の発想や疑問を尊重するために、この頃に授業時数の縮減や教育内容の厳選、「総合的な学習の時間」の創設をしました。このことで、子供たちの自発的な発想や疑問を今までよりも尊重できるようになった反面、今までの系統主義世代の児童・生徒が学んでいた内容を厳選したことによって、側から見たら「学習する内容が以前よりも減って、子供たちの学力が低下してしまう!」といった考えが生まれたということです。
系統主義と経験主義の対立は日本に学問が誕生した時から始まっていました。そのため、今までは系統主義と経験主義が交互に採用されてきました。しかし、近年どちらの考え方も大切であるから両立しようという方針にようやく変化しました。2017年改訂の学習指導要領には育成を目指す資質・能力の要素が「知識及び技能」「学びに向かう力、人間性等」「思考力、判断力、表現力等」とされました。(https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/koyou/20200422/200422koyou01.pdf)
現段階で様々な教育改革が検討・実施されています。私も教育に携わる者の一員としてこれからの教育改革を見守り、実践していきたいと思います。
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